看護師として働く

寄り添ってもらえたように、
寄り添っていきたい。

天笠 梨嵯

おうちにかえろう。病院
看護師 / 29歳 / 茨城県出身

Q1.これまでのキャリアについて教えて下さい。

天笠 梨嵯

「看護師」という仕事に就くことは、割と幼い頃から決めていました。一番のきっかけは、幼少期の入院体験に遡ります。「入院」という言葉の裏側にあるのは、病気の不安だけでなく、実は大好きな家族と離れて暮らすという寂しさ。いつもの暮らしから切り離されて、病院で治療、療養する日々は本当に心細いものでしたが、その時に担当してくださった看護師さんが、まるで母親のように優しく寄り添ってくださる方だったんです。そんな彼女の姿を見て幼いながらも「私もこんな風に、誰かのためになる仕事がしたい!」と思うようになり、やがて看護師というひとつの道を目指すようになりました。

その後晴れて看護師となり、新卒としてALSやパーキンソン病等の難病の患者さまが多く療養されている脳神経内科へ入職。配属となったのはその中でも慢性期~終末期の病棟だったのですが、そこで療養されているほとんどの患者さまが「自宅に帰りたい」とおっしゃっていたんです。しかし、多くの病院がそうであるように、ここでも一種の諦めがあり、患者さまの願いや想いを実現できないままお看取りになる事が多々ありました。看護師の仕事は「こうしなければならない」というMUSTが多く、極力リスクを回避するための手段が優先されます。そんな中でもご自身と家族の強い意志で本当に自宅に帰られた一人の患者さまもいらっしゃいました。その方は退院日までワクワク嬉しそうにされていて、退院当日は心の底から「ありがとう」と病院スタッフと固い握手をして退院されて行きました。
そんな姿を見て改めて、「患者さまの人生の一部に寄り添っていきたい、患者さまの願いを一緒に考えられる新たなステージで挑戦してみたい!」と思うようになったんです。

Q2.TEAM BLUE 入職のきっかけについて教えて下さい。

天笠 梨嵯

とはいえはじめての転職活動でしたので、まずは看護師専用の転職サイトに登録し、「在宅医療」を見据えた医療機関を探すところからスタートしました。そこではじめて「おうちにかえろう。病院」の存在を知ります。その特徴的な名前に込められた理念にも共感しましたし、実態としても地域医療に特化した上で、患者さまやご家族に真剣に向き合っていること。そして何よりもここでなら患者さま一人ひとりの人生を考えた看護ができると思い応募しました。
採用プロセスの中で、最も印象に残っているのは在宅医療チームとの「同行」です。その日に伺ったのは認知症のある独居の患者さまのご自宅だったのですが、在宅医療PAとドクターの連携の良さには眼を見張るものがあり、その現場を見て明日も来てみたいと思ったんです。
その後の最終面接も、かなり根掘り葉掘りと掘られる面接で、実際面接が終わった時は全く手応えが無く、正直落ちたかな?と思っていました。結果としては内定をいただいたのですが、後になってあの面接は、その人のスキルや経験ではなく「人間性」を見ていたという事を知りました。確かにこの組織は縦割りではなく、横断的なチームで患者さまを支えていく事が求められるので、少なくとも同じ想いで信頼関係を結べる人であること、そのためにまずは自分に正直に向き合えている人かどうかが大事なのだと思います。

Q3.現在の仕事内容について教えて下さい。

天笠 梨嵯

「おうちにかえろう。病院」の3階病棟に勤務しています。
日々の担当業務としては、受け持ちする患者さまの清潔ケア、全身状態の観察、他職種との横断的なカンファレンスの他、他部署・外部の事業所連絡等を行っています。
また業務リーダーとして、新人メンバーの育成にも参加させていただいており、社会人としての基本的なマナー教育から実業務まで幅広く見させてもらっています。
私は特に、チーム全体のコンディションを意識しながら、メンバー一人ひとりに細かく声をかける事を心がけているのですが、それはチーム一丸となって患者さまをサポートできるようになりたいから。
些細なことでも相談しあえる。そんなチームを目指しながら、日々業務にあたっています。
合わせて病院全体で取り組む「新人教育」委員会にも所属しており、TEAM BLUE全体としての新人教育体制等を立案し、運用支援も行っています。

1日のスケジュール例

  • 08:30
    出勤、情報収集、朝のカンファレンス
  • 09:00
    バイタルサイン測定、モーニングケア
  • 11:30
    昼食配膳、食事介助、服薬確認
  • 12:30
    お昼休憩
  • 14:30
    退院支援カンファレンス
  • 16:30
    リーダーへ申し送り、記録
  • 17:30
    退勤

Q4.TEAM BLUEの、他の医療機関との違いは何だと思いますか?

天笠 梨嵯

まずわかりやすい所でいうと、このチームではいわゆる白衣やスクラブなどは存在せず、皆同じYシャツにパンツスタイルだということでしょうか?
ドクターもバックオフィスのメンバーも皆同じ格好をしているため、最初は誰がどの職種か分からないのに戸惑いましたが、それはすぐに慣れました。
皆が患者さまやご家族の人生に寄り添う、ひとつのチームであることが大前提であるこの組織には、縦割りの権威や遠慮、忖度は存在しません。制服のあり方もまた、そんなカルチャーを体現していると思います。

その流れでお話すると、実際の業務においても職種問わずスタッフ皆さんが優しくて、相談しやすい環境だと思います。また、毎日患者さまの情報共有のためのカンファレンスが行われていて、他職種と連携し患者さまのより良い目標を考える場があることに驚きました。

あとは、とにかく病院が綺麗です!木の温もりと落ち着いたカラー。いわゆる病院らしく無い所もまた特徴的だと思います。

Q5.今後の目標について教えてください。

  • 仕事の目標

    患者さま、ご家族に寄り添ったACPを行い、地域で支え合いながら患者様が過ごせる世の中を目指していきたいです。また、地域包括病院でも新人看護師が成長できる環境を整え、若い看護師が活躍できるようにしていきたいです。

  • プライベートの目標

    自分らしく毎日笑顔で健康に過ごせたら……それだけで十分です!

大切なもの

  • 家族からの手紙

    家族からの手紙

    毎年欠かさず誕生日に母から、また折に触れて妹や祖母から手紙をもらいます。辛くなった時や、コロナ禍で実家に帰れない時は、もらった手紙を読み返して明日への活力にしています。

  • お香

    お香

    コロナ禍でおうち時間が増え、より質の高い過ごし方をしたいなと思っていた時にお香の世界に出会いました。お休みの日の朝や寝る前には、欠かさずお香を焚いています。

天笠 梨嵯

天笠 梨嵯

おうちにかえろう。病院
看護師 / 29歳 / 茨城県出身

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