医師として働く

このチームで、
日本を代表する教育病院をつくる。

石川 元直

おうちにかえろう。病院/やまと診療所
医師 / 44歳 / 秋田県出身

Q1.これまでのキャリアについて教えて下さい。

石川 元直

私は秋田県の田舎町で生まれ育ちました。小学校は片道1時間の道を、時にカモシカに遭遇しながら毎日歩いて通学するような環境。中学生になるまで「塾」という存在も知らず、医者になりたいと思ったのも高校生になってから。家族はおろか、周囲にも医者や東大卒業生はいなかったので、変に自分で限界を決める事もなく、寧ろそれを周囲が応援してくれる環境に恵まれ、東大医学部へ進みました。医学部を卒業後は、静岡にある総合病院で初期研修を終えた後、東京大学医学部付属病院の心療内科に入局。その後、幅広く内科を学ぶために東京女子医科大学東医療センター内科(現:東京女子医科大学附属足立医療センター)へ出向します。ここで国内外でのフィールドワーク研究と出会います。主にチベットでのフィールド医学に取り憑かれ、毎年現地を行き来しながら論文執筆するなど研鑽を積みました。その傍ら総合内科から興味が広がった感染症内科、老年内科、心療内科の3本の柱でそれぞれ専門医、指導医も取得しました。
2018年には東京女子医科大学東医療センター感染制御部副部長。その後2020年に内科講師を兼任し、コロナ病棟の立ち上げと運営にも携わりました。

Q2.TEAM BLUE 入職のきっかけについて教えて下さい。

石川 元直

大学の同級生であり友人でもある安井先生との縁がきっかけです。
東日本大震災発生直後に、共にボランティアとして現地に入ったのですが、その当時、同じように全国からバラバラと集った人々が、徐々に一つとなり、やがて大きな力となって、様々な苦難を乗り越える瞬間に何度も立ち会うことができました。その時の景色が、その後もずっと強烈な印象として残り続けていたんです。その後、安井先生が在宅医療に特化した診療所を開設すると聞き、これから重要になってくる分野であることに加え、あの時の被災地支援のように、皆が同じ思いを持って動けば、きっと世の中を良くすることができると思い、2014年から週1日非常勤としてお手伝いからスタートしました。
他方、私は医学教育が好きで、大学病院時代から学生や研修医の指導にもかなりの情熱を注いでいました。私自身の「やまと診療所」での在宅医療や地域医療の知見についても、学生や研修医に教えるようになっていましたし、研修医の投票による優秀指導医賞を受賞するなど有難い評価もいただく中で、やりがいも感じていました。そんな中、2021年4月「おうちにかえろう。病院」の開設にあたり、安井先生から改めて「この病院を日本一の教育病院にしてほしい」というオファーをもらいました。自分自身、この先「何のために」「誰のために」「どんな人と」「どのような環境で」働くのかという事を考え抜いた末、TEAM BLUEでなら自分の理想に近づけるのではないかと思い、常勤への転職を決意しました。

Q3.現在の仕事内容について教えて下さい。

石川 元直

「やまと診療所」及び「おうちにかえろう。病院」に勤務していますが、診療以外にも医療教育は勿論のこと、TEAM BLUEがチームとして今やるべきさまざまなプロジェクトの立ち上げ、その推進をリードしています。例えば、感染症専門医というスキルを活かして「コロナ往診事業」「コロナ自宅療養者フォローアップセンター」なども立ち上げています。コロナ第5波の際は、“担当医が保健所の介在なく24時間体制で自宅療養者をサポートする”という私たちのアイデアが、板橋区の事業となり、結果地域医療に大きく貢献できたことは、チームにとっても大きな自信になったと思います。
また、大学外での医学教育の重要性に着目し、統括として「自宅で自分らしく死ねる。総合診療プログラム」を、センター長として「みんなで考える医師になる。在宅医養成センター」を立ち上げました。

1日のスケジュール例

  • 09:00
    出勤カンファレンス、チーム申し送り
  • 09:40
    訪問診療スタート(平均5件)
  • 13:00
    昼休憩
  • 14:00
    訪問診療(平均5件)
  • 18:00
    帰院後、カルテ作成やミーティングなど
  • 19:00
    退勤

Q4.TEAM BLUEの、他の医療機関との違いは何だと思いますか?

石川 元直

大学病院のような大きな組織だと特に、医師以外の職種とはディスカッションする機会はほとんど無いですし、医師同士であっても症例の話ばかりです。当然組織の方針はトップダウン。「もっと良くなるにはどうしたらいいか?」と考える機会どころか、諦めて文句ばかり言う人が少なからず居たのも事実です。一方TEAM BLUEでは、職種に全くこだわらず、とにかくディスカッションがあちこちで起こります。その話題も、患者さんに関することだけでなく、議題は多岐にわたります。チームの皆が本気で世の中をよくしたいと思っているため、夢を語っても恥ずかしくありません(笑)。最初の頃は「なぜ?なぜ?なぜ?」と問われ続けることに若干の抵抗も感じましたが、やがて自分でも考える癖がつき、「どんなことも言語化すること」の重要性が身に付きました。

Q5.今後の目標について教えてください。

  • 仕事の目標

    TEAM BLUEを日本を代表する教育病院にします!

  • プライベートの目標

    大好きな海外旅行にコロナ禍で行けていないので、100か国制覇に向けて再開したいです。
    (現在49か国)

大切なもの

  • バスケットボール

    バスケットボール

    大学時代に打ち込んだバスケットボールは40を超えた今でも週1回やっています。最近はTEAM BLUE内のバスケ経験者を誘って一緒に活動中です。

  • チベットのキーホルダー

    チベットのキーホルダー

    私は医療人類学という分野で研究をしており、フィールドワークで訪れたチベットのお土産のマニ車です。医療人類学から在宅医療の世界を見るようになったのは、チベットでのフィールドワークが原点。このキーホルダーを見るたびにその事を自覚させられます。

その他のインタビュー

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