#理学療法士のしごと

患者さんの心のそばに居る理学療法士

過去の経験すべてが、
いまの私に
つながっている。

2024年9月24日

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患者さんの心のそばに居る理学療法士

 みなさんこんにちは!TEAM BLUE広報担当です。
本日は、「おうちにかえろう。病院」で理学療法士として働いている金子さんに、これまでのキャリアや、ここで働いて感じていることについてインタビューしました。ぜひご覧ください。

▼金子さん

 おうちにかえろう。病院入職3年目。「人を想う」ことをチームで取り組むTEAM BLUEのMissionに共感し入職を決意。いまハマっていることは、頭の整体について勉強すること。

Q1 理学療法士を目指したきっかけを教えてください。

 同居していた祖母が体調を崩し、入院していたときに出会った理学療法士の言葉がきっかけです。数日前まで元気で過ごしていた祖母が動けなくなってしまい、私はとても落ち込みました。そんなとき、祖母を担当していた理学療法士の方が、「人はもともと歩けるから、歩けるようになる」と声をかけてくれ、その言葉が心に残りました。

このことがきっかけで、私は理学療法士を目指すことを決め、勉強と実習漬けの生活を乗り切り、念願だったこの仕事に就くことができました。

Q2 念願の理学療法士になってからは、どんなキャリアを歩んできましたか?

 私は、回復期と急性期、どちらの病院も経験してきました。新卒で入職した回復期病院では、患者さんと一緒にリハビリをできることがとにかく楽しかったです。入職してから数年経過した頃、「地域連携パス」という制度がスタートしました。勤めていた回復期病院にも、急性期寄りのリハビリを必要とする患者さんの受け入れが増え、”より多くの患者さんに対応できる理学療法士になりたい”という想いから、大学病院に転職しました。

大学病院では、1日20人以上のリハビリを担当するほか、臨床、研究、教育といった大学病院ならではの業務があり、必死で仕事に食らいつく日々を送っていました。他職種のスタッフの名前を覚えることも難しいほど、多忙を極めていましたが、内部疾患に関心を持ったことがきっかけで「心臓リハビリチーム」に加わりました。そこでは、医師や看護師と患者さんのことについて考える時間や、多職種とコミュニケーションを取りながら連携する時間が増えたことで、チーム医療を経験できたと感じています。

そうして気が付けば東京で7年ほどキャリアを重ねていました。実は、高校生の頃から「沖縄に住む」という夢を掲げていたので、その夢を実現するためにこのタイミングで沖縄へ移住することを決めました。

Q3  念願の沖縄生活から「おうちにかえろう。病院」に転職した理由を教えてください!

 沖縄に住む夢は、高校の修学旅行で初めて訪れたときに決めました。空港に降り立つと、なぜか”懐かしさ”を感じて、無意識に「ただいま」と言葉が出てきて、涙が溢れ出ました。周りの友だちは驚いていましたが、私は魂レベルで沖縄に惹かれていた気がします(笑)

無事に沖縄移住を果たし、県立病院に勤めることになりました。そこには「こども病院」の機能があり、小児がんの患者さんも担当することになったのですが、半年ほど経過すると、病状の悪化によりお亡くなりになる方を多く見ました。

この頃から患者さんやご家族との関わりの中で、

 「もっといい時間が過ごせたのではないか」

「残されたご家族はその後どのように過ごされているのか」

 このようなことについて考えるようになり、心残りを持ち始めました。

そして、コロナパンデミックが発生し、勤めていた病院でも様々な対策が行われました。多くの患者さんが家に帰れず、ご家族にも会えないままお亡くなりになる状況が続き、自分の仕事に無価値感を抱いてしまうこともありました。

そんなとき、「おうちにかえろう。病院」が特集されているテレビ番組が偶然流れ、私は食い入るように視聴しました。「人を想う」ことを「チーム」で取り組んでいる「おうちにかえろう。病院」のスタッフたちの姿が心に響きました。私がやりたいことをすべて言語化してくれている場所だと思い、「おうちにかえろう。病院」へ行くことを決めました。

 Q4 実際に入職してみて、どうですか?

  患者さんと、とことん話ができる環境です。例えば、担当している患者さんがリハビリを受けてくれない日があります。そんな日は、無理やりリハビリを行うわけではなく、まずは「どうしてリハビリをしたくないのか」を伺い、患者さんの気持ちを知るようにしています。TEAM BLUEは、患者さんの悩みや気持ちを理解することで、“患者さんに対して医療者側から一方的な関わり方をしない場所だな”と感じています。

 私は、医療者側の視点に立って患者さんと関わるのではなく、患者さんやそのご家族の視点に立ちながら、伝える言葉やアプローチの仕方を変えることを意識しています。この意識は、「おうちでよかった。訪問看護」で訪問リハビリをした経験から生まれました。

Q5 「おうちでよかった。訪問看護」で訪問リハビリもしていたんですね。

 TEAM BLUEには「おうちでよかった訪問看護」で働く4ヶ月の研修プログラムがありました。私は患者さんのご自宅の環境が全く分からないままキャリアを重ねてきたので、その環境を知りたいという想いで自ら手を上げ、研修に参加しました。

 そして実際に患者さんのご自宅に伺うと、いかに自分が「医療者として働いているのか」ということを理解しました。病院ではすべてのスケジュールが病院都合で動きます。しかし訪問の場合は、相手のご自宅の時間で事が進むので、これまで出来ていたことが急にできなくなり、頭が真っ白になりました。この時、病院の環境に慣れすぎて違和感すら感じていなかったことを理解できたと思います。

 例えば、病院にいると”薬は1日3回飲むべきものだ”と考えてしまいますが、患者さんのご自宅に伺うと、手が届かなかったから薬が飲めなかったという事実に遭遇します。そういったご自宅の環境を知ったことで、病院に入院中の患者さんに対しても、その方の暮らしや、やり方を伺って、その方に合うアプローチを提供することが大切だと感じました。

Q6 いま金子さんが感じていることを教えてください

 私は患者さんが歩んできた人生のストーリーを知りながら、最期までその方をそばから見守る存在になりたいと感じています。これまでは人の”死”をどこか受け入れられない自分がいましたが、沖縄で経験したコロナパンデミックや「おうちでよかった。訪問看護」の研修プログラムを経験してその考え方に変化が生まれました。今は少しずつ人の”死”を受け入れている最中です。「おうちにかえろう。病院」では、いつか訪れる”死”に向かって体力や気力が緩やかにくだっていく過程(老いていく過程)にある方々を多く担当します。いつかくる別れのために生きていく。そういう風な見方をここで学んだ様に思います。その中で私は、患者さんに最期まで変わらぬ日常を過ごしていられるように、自分ができることをしたい。そんな風に感じながら患者さんと関わっています。

そうしてご縁が合った患者さんのことをいつまでも大切に覚えている人になりたいとも感じます。その方を覚えていることで、私になにができるかは分かりませんが、”患者さんのことを覚えている人がいる”ということが、残された方たちの心に、なにかの形で支えられることができるのではないかと感じています。

いかがでしたか?

今回のインタビューでは、理学療法士の金子さんが経験されてきたキャリアや、患者さんの病状を診るのではなく、その方の生き方や暮らしを想像して寄り添う姿を知りました。

「おうちにかえろう。病院」で働くスタッフは、「ここに入院される患者さんは、これまでどういう人生を歩まれた方なんだろう」と、みんなで考える文化があります。
「誰かのそばで支えになりたい。 」その想いを持って医療業界に挑戦したい方、ぜひ一度見学に来てみませんか?

オンラインによるカジュアル面談も行っておりますので、どうぞお気軽にお問合せください。

皆さまからのエントリーを心よりお待ちしております。