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2020.10.21 当事者意識

なぜ在宅医療屋が病院をつくるのか

「在宅医療を専門にやってきた、われわれのような”在宅屋”が病院=入院医療をつくることに意味があるんじゃないか。」
とあるインタビューで、おうちにかえろう病院の開院準備に携わるスタッフはそう答えました。

在宅医療で診ている方でも、入院医療が必要にすることは少なくありません。

肺炎や骨折で入院加療が必要な時。
長い自宅療養の中で、ずっと本人を支え続けている家族が休憩を必要とする時。

様々なシーンで、一時的に入院が必要になります。
しかし、大切なのは、その入院が一時的であることです。

一般的に病院では”怪我や病気の治療”が目的です。
そのため、一時的な入院が、長期的な入院へと変化し、
その間に、
生活機能が低下し、おうちにかえってからも以前のようには生活ができない。
退院できず病院で亡くなる。

私たちはそのような方を多く見てきました。

”怪我や病気の治療”を目的とするのではなく、
”怪我や病気の治療を抱えながら、その人らしくまた自宅で過ごせるようになること”を最大の目的とした病院があると、
より多くの方の”自宅で自分らしく”を実現できるのではないか。

そんな病院がないのであれば、まず私たちからつくっていこう。
その想いから、おうちにかえろう病院の開院準備が始まりました。

おうちにかえろう病院では、医師や看護師など、多くのスタッフが、病院と在宅を行き来します。
そうすると
患者様が入院をしたとき、病気を診て治療プランをたてるのではなく、
”〇さんの自宅での生活”を診て、治療プランをたてることが可能になります。

(病気名)なので、この治療。この入院期間。ではなく、
(病気名)を抱えた〇さんなので、この治療だけを病院医療で、その後はすぐ退院をして在宅医療にしていこう。
(病気名)を抱えた〇さんは、病院でしっかりリハビリを行い、ここまで回復をしたら退院をしよう。

そんな風に、
〇さんを知っている医師が、〇さんが退院後も自宅で自分らしく生活することを見据え、
そのために必要な病院での治療プランをたてていきます。

それは、本気で在宅医療を専門に向き合ってきた私たちだからこそ提案できる、新しい地域医療のカタチだと考えています。

より多くの人の、自分らしい最期を支えるため。
それが当たり前になる世の中をつくるため。

そのために、在宅医療屋の私たちが病院をつくります。